鹿児島の星空3

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ニュートン反射の光軸修正(メモ) 暫定版

例年だと帰省する家族の空港までの送り迎えで忙しい時期ですが、今年は帰省ゼロなので時間があります。

そこで、25㎝反射の光軸修正に取り組んでいます。

今まではレーザーコリメーターで適当に合わせて、あとは星像確認だけでしたが、せっかくなので、1回ちゃんとやってみようということです。

ただし、自分用メモで、かつ自分でも理解できないところがあるので、まだまだ暫定版です。今後少しずつ詰めたいと思います。

 

以下、自分用メモ

 

調整器具

・斜鏡の調整

 → オートコリメーター(センター穴+オフセット穴) ~以下ACと略

 → 主鏡のセンターマークを照らす。(換気ファンの吸気口から照らす。)

・主鏡の調整

 → チェシャアイピース ~以下CEと略

 → 鏡筒の筒先から主鏡側を照らす。

  (CEの反射板の◎が見やすいよう角度を調整する。)

・主鏡のセンターマーク

 → センターマークは◎が多いが、手順2の調整を考えると△のほうが合わせやすいと思われる。

 → 市販のものは反転するとちょうど円になるように切り抜かれたものもある。実はAC、CEを買うときに買い忘れた。

→ 仕方がないので、もともと張ってある◎に小さな三角形を3つ頂点代わりに追加で貼った。(見やすいように黄色のシールにした。)

 

実は夏ごろにACとCEを購入していましたが、使用は今になってしまいました。

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左上から、AC、CE、締付式接眼AD、左下から、BORG_SD1の接眼AD、レーザーコリメーター

調整手順

手順1 CEで主鏡の光軸をざっと合わせる。

・光軸があまりにずれていると斜鏡調整ができないので、その準備として1回目はざっと合わせる。(どうせ後でワザとずらすこともある。)

・具体的には、主鏡のセンターマーク△とCEの反射◎を主鏡セルの調整ネジで合わせる。

・最初は固定ネジで調整し、追い込みは調整ネジで行う。

 

手順2 ACのオフセット穴で斜鏡の傾きを調整する。

・オフセット穴から覗くと、主鏡のセンターマークの像が4つ見える(はず)、それぞれP、1、2、3とする。

  P:一番明るい△

  1:薄い▲

  2:明るい▽(Pの逆像)

  3:超暗い▼(1の逆像)

・もし、Pと2の重なりと、1と3の重なりが近すぎて見にくければ、主鏡調整ネジの1本をワザとわずかに動かして2つの重なりを離す。

・オフセット穴から見て、Pと2、1と3がそれぞれ重なり、三角形と逆三角形が重なって6つの角をもつ星型に見えるよう斜鏡の3本ネジ(斜鏡の傾き調整ネジ)で合わせる。

・実際は、3があまり見えないので、Pと2で合わせてから、1と3の重なりで3の薄い3つの角が出ているか確認する。

 

 手順3 ACのセンター穴で斜鏡の傾きを確認する。

・オフセット穴から見て、Pと2、1と3の2つの星型がそれぞれ合ったら、次はセンター穴から見て2つの星型が重なっているか確認する。

 

手順4  CEで主鏡の光軸を調整する。

・今度は精密に、主鏡のセンターマーク△とCEの反射◎を主鏡セルの調整ネジで合わせる。

 

手順5 ACのセンター穴で斜鏡の傾きを調整する。

・センター穴から見てP(一番明るい△)のみ見えるか確認する。

・もし他の像(1~3)がPからはみ出して見えていたら、センター穴を見ながら斜鏡調整ネジ(3本)で1~3が消えるように調整する。

・実際は、1から3は簡単には消えないので、適宜、手順2、手順3、手順4、手順5を4~5回繰り返す。

・具体的には、

  ACのオフセット穴から見てPと2、1と3をそれぞれ合わせる。(斜鏡3本ネジで調整)

  CEで主鏡のセンターマーク△とCEの反射◎をあわせる。(主鏡セルの調整ネジで調整)

  ACのオフセット穴から見てPと2、1と3をそれぞれ合うよう再調整(斜鏡3本ネジ)

  ACのセンター穴から見てPのみ見えているか確認、調整(斜鏡3本ネジ)

 を4,5回ループする。

 

手順6 ACのセンター穴で主鏡の傾きを調整する。(オプション)

・ACの斜鏡調整で1~3が消えないときは、センター穴を見ながら主鏡の傾きを(主鏡セルの調整ネジで)調整して、P以外を消すことも検討する。

・センター穴から見た調整は非常に微妙で、あるポイントでフッと1~3が消えてPのみになる。(私の場合、ここまでやってやっとPのみになりました。)

・Pのみになったら、手順2のACのオフセット穴から見て2つの星型が重なっているか確認し、手順4のCEで主鏡の光軸を確認する。(最終確認)

・1回合わせられれば、コツがわかってくる。ワザともう1回外して合わせなおしたが、案外すぐ合わせられた。逆に言うと習熟と集中力が必要な気がする。

 

手順7 星像で確認(未実施)

・正月明けに晴れたら確認する予定。

  

(参考)

1 斜鏡の調整では、傾きの調整とは別に主鏡の光軸を軸とした回転方向の調整(斜鏡セルのセンターのネジで調整)がある。今回は3本ネジのみで合ってしまったので触らなかったが、時間があるとき動かしてみよう。

 もしかすると、手順2でPと2の重なりと、1と3の重なりをあまり離すと、すぐ1と3が視野外に出ていったので、ギリギリ重ならないくらいが精一杯だったのは回転方向の調整が必要だったのかという気もしている。ここは要確認というか宿題。

 

2 調整器具としては、AC、CEのほかにレーザーコリメーターがある。使い方が悪いのかもしれないが、個人的にはあてにならないと思います。接眼レンズのホルダーによって少しずつ違った結果になるし、回転すると偏芯がわかるものが多い。いろいろ接眼ホルダーを試したが、一番安定していたのはボーグのSD1(カメラアダプター)についていた接眼ホルダーに2インチ→M57の延長筒のセットだった。偏芯を調整するのも結構手間だし、再現性が低い気がしたのでAC、CEでの調整方法が確立したら使わないかもしれません。

 

3 ACのオフセット穴から覗くとなぜ4つの像ができるのか、今一つ理解していません。外国のHPに割と詳しい解説があり追っかけてみましたが、中途半端な理解に終わっています。まずは光軸修正の「手順」を理解するのが優先ですので、実際の星像の確認と斜鏡の回転方向の調整まで済んだら、再度読み直してみます。

 

4 参考HP

 The Autocollimator and its reflections (telia.com)

 趣味の天文/ニュートン反射の光軸修正法 (okita-tenmon.com)

 以上