鹿児島の星空3

                  天体写真の記録用ブログ

PK283+25.1(うみへび座)

いわゆる「南のフクロウ」です。

それなりに南に低い(赤緯-34°)ので撮影時間帯が限られます。

このカットを撮影中は、運悪く南の空に低く薄い雲が流れてきて、全く写りは期待できない感じでした。(7枚ほどが雲の影響をまともに受けておりオミットしました。)

しかし、画像処理してみると、フィルターのおかげか思ったよりは写っていました。

ESO378-1

<データ>

2024.03.09 23時37分~
ZWO ASI294MC ProL-Ultimateフィルター
Gain=380
Exposure=4分×28枚(1時間52分)
Temperature=-10.0度

QUATTRO 300P 直焦(エクステンダーPH F5.6) fl:1680mm
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・惑星状星雲は視直径が小さいので、エクステンダーPHを今回から導入しました。

・1週間前の月夜に色々試写してみましたが、メーカーが言うとおりの高性能だと思いました。

・あまりに暗いものはF値優先になるかもしれませんが、常用しようと思います。

・この夜は鹿児島の3月としては大変寒く、お茶畑の防霜ファンが一晩中全開で回っていました。

・久しぶりに観測室の床の露が凍りました。

・お茶農家の軽トラが2時間おきに見回りに回っておられました。遅霜の警戒なのでしょう。

・画像処理はいじり倒してしまい、淡いこともあり艶のない感じになりました。

・星雲の外郭部分はもっとHαの赤がありそうな感じですが、まだまだ露出不足でしょうか。

・この夜は相方が来られなかったので、もう一つの赤道儀で望遠レンズで撮影しようと思っていたのですが、防霜ファンの音がすごくてやる気が起きず、下の休憩室でほとんど寝ていました。

・来る途中、車の中では「南のフクロウ」を撮りながら近くの森のフクロウの声でも聞けないかと思っていたのですが、防霜ファンの音でそれどころではありませんでした。

12P/ポン・ブルックス彗星(2024-03-09)

先週末撮ったものです。

低空で撮影も画像処理も大変でした。

薄明終了前で一枚一枚写りがどんどん変わっていくのがよくわかりました。

なんとかかんとか仕上げましたので、記録としてアップします。

12P/Pons-Brooks

<データ>

2024.03.09 19時32分~
FUJI X-T30ノーフィルター
Exposure=10秒×28枚 メトカ-フコンポジット
QUATTRO 300P 直焦(レデューサー F3.44)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・観測所の北北東に立っている木に向けてどんどん低くなっていったので、焦って薄明終了前にどんどん撮りました。

・空の明るさと彗星の高度が急激に変化していきました。鏡筒が水平かと思うほど寝ていきました。

・この1週間それなりに忙しかったこともありますが、画像処理がうまくいかず時間がかかってしまいました。

・普段はこんなに低い高度(20度)はほとんど撮らないので正直私のスキルでは歯が立たないと思いました。

・彗星の尾にばかり気を撮られて処理をしていたら、核が激飛びしました。まあ、仕方がありません。

Jacoby1(うしかい座)

これはちょっと無謀なチャレンジでした。

以前、どこかのHPで見つけていた魅力的な対象ですが、淡くて歯が立ちませんでした。

リング状なのがかろうじてわかる程度に写りました。

改めて調べてみると、よく写っている画像は何十時間という露出時間でした。

今シーズン、まだしばらくは撮れそうなので、撮り増ししようと思います。

(それでも3年くらいかかりそうですが。)

PK085+52.1

<データ>

2024.1.17 25時38分~
ZWO ASI294MC ProL-Ultimateフィルター
Gain=380
Exposure=4分×62枚(4時間08分)
Temperature=-10.0度

QUATTRO 300P 直焦(レデューサー F3.44)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・画像処理のスキルがないのでどうしようもありませんでした。

・周辺が出鱈目になったので、相当トリミングしています。

・この夜は、2月にしては暖かい夜でした。

うしかい座の星雲星団を撮影したのは初めてかもしれません。

うしかい座は撮影可能時間が長いので、地道に撮り増しできればと思っています。

・ところで、読み方は「ジャコビー1」でいいのでしょうか。

H3ロケット2号機打ち上げ

発射時刻は何時だったっけ?とHPを見たらカウントダウン中、慌てて2階に上がり眺めました。

残念ながらコントラストが悪くて見栄えはしませんでした。写真も写ったという程度でした。

H3(2号機)

前回失敗だったので、エンジンや衛星も保険を掛けて、絶対1勝1敗に持ち込むという感じでしたので、何はともあれ成功してよかったです。

Sh2-224(ぎょしゃ座)

これは淡くてチャレンジングな撮影対象です。

銀塩の時代から知っていましたが、当時は全く歯が立ちませんでした。

一昨年の11月に試写的に撮ったらうっすらと写ったので、今回は3時間露出をしてみました。

結果は、やはり一応写ったという感じでした。露出時間がまだまだ足りないのでしょうか、それともデジカメの限界か、画像処理が下手なのか、とりあえずは来シーズンまた増し撮りしてみたいと考えています。

しかし、左端中央と右下にO3の片鱗が写ったので、少しは満足しています。

Sh2-224

<データ>

2024.01.13 21時44分~

SONYα7S天体改造(L-Ultimateフィルター
Exposure=30S×360枚(180分)

QUATTRO 300P 直焦(レデューサー F3.44)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・このカットを撮っているときは風も吹かず撮影は順調で、よしよしという感じでゆっくりしていました。(関係ない話ですが、繁殖期が過ぎたのか、この夜はシカが全く鳴きませんでした。)

・輝星の変なスパイクは、斜鏡スパイダーにテープで仮止めしていた絞りマスクがずれてしまったためのようです。致命的なミスで、後で気が付き青くなりました。今回は諦めます。

画像処理も迷走した挙句、何とか仕上げた?と言う感じでした。

・20年以上前にウラノメトリア星図(旧版)に載っていた形状(下の写真)に強く惹かれました。

URANOMETRIA2000

・一昨年はこんな感じにしか撮れませんでした。

Sh2-224(ぎょしゃ座) - 鹿児島の星空3

二重星観望記録(2023-12-29/30)

昨年末の年忘れ星見の際に、軽く二重星の観望をしました。

その前に相方のお知り合いの若者が「TMB6mm」、「TPL6mm」、「SVbony3-8mm」を持参して共同観測所に来たので、手持ちの古いアイピースとも比べながら13cmアポ屈折で月、土星木星を観望。

冬にしてはシーイングも悪くなく、特に高度の高い木星でじっくり比べてみました。

どこまでも感覚的な話、定性的な話、個人の感想になりますが、一応メモしておきます。

 

TMB6mm → パッと見た印象では、断然一番だと思った。まず模様がよく見える、色の濃淡もよくわかる。色も鮮やか。像のカッチリ度合いもレベルが高く、模様の見やすさと合わせた総合力があるように思った。

 

TPL6mm → 輪郭がカッチリと見え、模様のコントラストもよい。色が薄くしか着かないのが残念だが、タカハシらしく手堅く、よく見えるアイピースの典型的な見え方に感じた。最初、模様はTMBの方が断然よく見えると思ったが、何遍も見比べているとTPLでも同じものがちゃんと見えている。

 

SVbony3-8mm → 6mm相当で見比べ。像の鋭さ、模様の見え方はTPLに近く、よく見えてびっくりした。これでいいかもなあと思った。惜しいのは迷光処理が甘いせいか、明るい月と木星は画面?がまぶしく見づらい。これは結構なマイナスポイント。(賞月観星のアイピースも同じことを感じた。)

 

XL7mm → 比較用に、20年以上常用しているペンタXLアイピース。残念ながら像の鋭さがいずれのアイピースにも劣る。模様の見やすさ、色の鮮やかさは評価できるが、カッチリ度合いが大きく不足。いつも二重星を見て感じていることが、比較してその通り出た感じ。(以前から入れ替えが決定なのだが、新戦力が決まらない。)

 

XL5.2mm → こちらも常用。7mmの不名誉を挽回する見え味で、どちらかというと模様がよく見え色が鮮やかという特徴があるが、像の鋭さ、堅さも十分以上。これなら新しいアイピースは買わなくてもという気になる。なぜ同じシリーズなのにここまで見え味が違うのか。

 

TVPL8mm → こちらも20年選手。これはカッチリした見え味に振ったアイピースで、TPLに勝るとも劣らない堅い見え味。20年程前にアポ屈折につけて最初見たときはこの見え味に魅了された。ただ、色付きはTPLよりさらに薄い感じ。模様ですらぼんやりは許さないという感じのキリキリした像。アイレリーフが短いが、もう慣れたせいか気にならない。試しに撮影用の30cmF4反射でも眺めてみたが、カッチリ性能が効いてほかのアイピースよりシャープに見える。

 

(ざっとしたまとめ)

やはりTMB6mmは魅力的だ。パッと覗いた時にオーと言いたくなるつかみのいいアイピース。絶版らしいが高値で取引されるのもうなずけます。カッチリとした見え味をとるのか、ふくよかな色彩や雲のような模様の見え味をとるのか、という二者択一が不要になると思いました。

 

XL7mmはやはりダメ。同一シリーズ7本中、ダメなのは7mmだけなので個体差かもしれないが、7mmは新品で買ったのよねえ。新戦力はモーフィアス6.5mmが有力なのですが、円安で?高くなり魅力が失われています。かといって今更XW7mmを買って、もしダメ(XL7と同じ傾向)だったらショックですよね。

 

現在の私は、模様や星の色づきを重視しているので、TPLはいらないかなと思いますが、カッチリ系で一式揃えてもと思わせる値段ですね。

 

中華系の出来は相当いいです。値段も考えると最高とも言えます。ただトータルの性能で見ると、世の中はしょせん金(金額)だよなあと思うのも事実。いいもの(高い方)を無理して買って長く使うのがいいかも。

 

TVPLは、8、15、32、40と持っているが、いずれも同じ傾向で性能に不満はありません。なのでずっと使っています。視野は狭いけど、自動導入でよく入るのでほとんど気になりません。5mmか4mmがあればいいのにと思いますが、バーローを使いなさいということでしょう。

 

この後、二重星観望。寒かったので、頻繁に休みながら。

(以下は、自分用の観望記録です。)

 

2023-12-29/30

13cmF7屈折 S=3/5 T=4/5  月夜

(確認22星 ロスト2星)

 

開始時刻不明

おおいぬ座

1 145CMa 26.8″

 オレンジ、青、鮮やか。TMB6mmすごい。

 

(とも座)

2 h3835 5.7″ 196.7″

       TPL6mmではっきり

 

3 h3882 18.1″

 かすかだが、軽々。低い

 

4 h5443 15.5″

 伴星かすか、やっと。XL10.5mm

 

5 △32 7.9″

 オレンジと青?黄色と白?容易

 

6 h3905 14.3″

 双方暗いがよくわかる

 

7 △38 20.9″

 クリームと青白、色きれい

 

8 h3928 2.7″ 37.8″ 42.7″

 狭い方はTPL6mmでよくわかる。広い方は二つともXL10.5でわかる。全部OK

 

9 Jc10 2.3″CD

 スリット状に見えるXL10.5mm。TPL6mmではっきり分かれる。

 

12:35

10 h3957 7.4″

 南北に容易。色きれいだが、青と白?

 

11 h3966 6.8″

 等光、青とオレンジ、Good

 

12 h3969 17.3″

 これは軽々

 

13 S550 39″

 明るく容易

 

14 β332 19.8″AC

 光度差あるも軽々

 

2:08~2:25 休憩

 

15 △49 9.0″

 白と青白?軽く分かれる、XL10.5

 

16 Σ1104 1.9″

 光度差あり、雪だるまで時々分かれる

 

17 h3973 9.1″

 伴星暗いもよくわかる

 

18  P Pup 38.3″ 43.2″

 3星一列に並んでいる

 

19 Σ1121 7.4″

 等光見やすい、周りの星多く賑やか XL10.5

 

20 Arg47 2.9″

 淡くてXL10.5で雪だるま、TPL6でぼんやり2つに分かれる

 

21 2 Pup 16.6″

 明るく見やすい、きれい

 

22 Knott4 129.4″

 離れすぎもオレンジと白

 

23 5 Pup 1.3″ ×

 PL8mmで真北にいるように見えるが、P

 

24 H28 18.8″ ×

 10.5等、暗い星見えず(雲が出る)

 

3:20 以後曇天

 

<忘備録>

H:W.ハーシェル(父)

h:J.ハーシェル(子)

△:J.ダンロップ

S:J.サウス

β:S.W.バーナム

Σ:F.G.Wストルーフェ

Knott:G.ノット

Arg:F.W.A.Argelander(アルゲランダー)

Jc:W.S.Jacob(ジェイコブ)

NGC2174/2175(オリオン座) その2

昨年秋に撮ったのですが、処理し忘れていました。

モンキー星雲はこれまでもよく撮っている気がしますが、やはり明るく大きく見栄えがします。

モンキー星雲(Sh2-252)

<データ>

2023.10.16 27時05分~

SONYα7S天体改造(L-Ultimateフィルター
Exposure=30S×138枚(69分)

QUATTRO 300P 直焦(レデューサー F3.44)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・この夜は、夜半過ぎに雲が出て使えるコマと使えないコマを仕分けるのが大変でしたが、モンキーの時はずっと大丈夫でした。

・メジャー天体は迫力がありますね。

・首元の星雲の出が悪いような気もします。

・機材、フィルターが違いますが、2年近く前にも撮っていました。

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