昨年末の年忘れ星見の際に、軽く二重星の観望をしました。
その前に相方のお知り合いの若者が「TMB6mm」、「TPL6mm」、「SVbony3-8mm」を持参して共同観測所に来たので、手持ちの古いアイピースとも比べながら13cmアポ屈折で月、土星、木星を観望。
冬にしてはシーイングも悪くなく、特に高度の高い木星でじっくり比べてみました。
どこまでも感覚的な話、定性的な話、個人の感想になりますが、一応メモしておきます。
TMB6mm → パッと見た印象では、断然一番だと思った。まず模様がよく見える、色の濃淡もよくわかる。色も鮮やか。像のカッチリ度合いもレベルが高く、模様の見やすさと合わせた総合力があるように思った。
TPL6mm → 輪郭がカッチリと見え、模様のコントラストもよい。色が薄くしか着かないのが残念だが、タカハシらしく手堅く、よく見えるアイピースの典型的な見え方に感じた。最初、模様はTMBの方が断然よく見えると思ったが、何遍も見比べているとTPLでも同じものがちゃんと見えている。
SVbony3-8mm → 6mm相当で見比べ。像の鋭さ、模様の見え方はTPLに近く、よく見えてびっくりした。これでいいかもなあと思った。惜しいのは迷光処理が甘いせいか、明るい月と木星は画面?がまぶしく見づらい。これは結構なマイナスポイント。(賞月観星のアイピースも同じことを感じた。)
XL7mm → 比較用に、20年以上常用しているペンタXLアイピース。残念ながら像の鋭さがいずれのアイピースにも劣る。模様の見やすさ、色の鮮やかさは評価できるが、カッチリ度合いが大きく不足。いつも二重星を見て感じていることが、比較してその通り出た感じ。(以前から入れ替えが決定なのだが、新戦力が決まらない。)
XL5.2mm → こちらも常用。7mmの不名誉を挽回する見え味で、どちらかというと模様がよく見え色が鮮やかという特徴があるが、像の鋭さ、堅さも十分以上。これなら新しいアイピースは買わなくてもという気になる。なぜ同じシリーズなのにここまで見え味が違うのか。
TVPL8mm → こちらも20年選手。これはカッチリした見え味に振ったアイピースで、TPLに勝るとも劣らない堅い見え味。20年程前にアポ屈折につけて最初見たときはこの見え味に魅了された。ただ、色付きはTPLよりさらに薄い感じ。模様ですらぼんやりは許さないという感じのキリキリした像。アイレリーフが短いが、もう慣れたせいか気にならない。試しに撮影用の30cmF4反射でも眺めてみたが、カッチリ性能が効いてほかのアイピースよりシャープに見える。
(ざっとしたまとめ)
やはりTMB6mmは魅力的だ。パッと覗いた時にオーと言いたくなるつかみのいいアイピース。絶版らしいが高値で取引されるのもうなずけます。カッチリとした見え味をとるのか、ふくよかな色彩や雲のような模様の見え味をとるのか、という二者択一が不要になると思いました。
XL7mmはやはりダメ。同一シリーズ7本中、ダメなのは7mmだけなので個体差かもしれないが、7mmは新品で買ったのよねえ。新戦力はモーフィアス6.5mmが有力なのですが、円安で?高くなり魅力が失われています。かといって今更XW7mmを買って、もしダメ(XL7と同じ傾向)だったらショックですよね。
現在の私は、模様や星の色づきを重視しているので、TPLはいらないかなと思いますが、カッチリ系で一式揃えてもと思わせる値段ですね。
中華系の出来は相当いいです。値段も考えると最高とも言えます。ただトータルの性能で見ると、世の中はしょせん金(金額)だよなあと思うのも事実。いいもの(高い方)を無理して買って長く使うのがいいかも。
TVPLは、8、15、32、40と持っているが、いずれも同じ傾向で性能に不満はありません。なのでずっと使っています。視野は狭いけど、自動導入でよく入るのでほとんど気になりません。5mmか4mmがあればいいのにと思いますが、バーローを使いなさいということでしょう。
この後、二重星観望。寒かったので、頻繁に休みながら。
(以下は、自分用の観望記録です。)
2023-12-29/30
13cmF7屈折 S=3/5 T=4/5 月夜
(確認22星 ロスト2星)
開始時刻不明
(おおいぬ座)
1 145CMa 26.8″
オレンジ、青、鮮やか。TMB6mmすごい。
(とも座)
2 h3835 5.7″ 196.7″
TPL6mmではっきり
3 h3882 18.1″
かすかだが、軽々。低い
4 h5443 15.5″
伴星かすか、やっと。XL10.5mm
5 △32 7.9″
オレンジと青?黄色と白?容易
6 h3905 14.3″
双方暗いがよくわかる
7 △38 20.9″
クリームと青白、色きれい
8 h3928 2.7″ 37.8″ 42.7″
狭い方はTPL6mmでよくわかる。広い方は二つともXL10.5でわかる。全部OK
9 Jc10 2.3″CD
スリット状に見えるXL10.5mm。TPL6mmではっきり分かれる。
12:35
10 h3957 7.4″
南北に容易。色きれいだが、青と白?
11 h3966 6.8″
等光、青とオレンジ、Good
12 h3969 17.3″
これは軽々
13 S550 39″
明るく容易
14 β332 19.8″AC
光度差あるも軽々
2:08~2:25 休憩
15 △49 9.0″
白と青白?軽く分かれる、XL10.5
16 Σ1104 1.9″
光度差あり、雪だるまで時々分かれる
17 h3973 9.1″
伴星暗いもよくわかる
18 P Pup 38.3″ 43.2″
3星一列に並んでいる
19 Σ1121 7.4″
等光見やすい、周りの星多く賑やか XL10.5
20 Arg47 2.9″
淡くてXL10.5で雪だるま、TPL6でぼんやり2つに分かれる
21 2 Pup 16.6″
明るく見やすい、きれい
22 Knott4 129.4″
離れすぎもオレンジと白
23 5 Pup 1.3″ ×
PL8mmで真北にいるように見えるが、P
24 H28 18.8″ ×
10.5等、暗い星見えず(雲が出る)
3:20 以後曇天
<忘備録>
H:W.ハーシェル(父)
h:J.ハーシェル(子)
△:J.ダンロップ
S:J.サウス
β:S.W.バーナム
Σ:F.G.Wストルーフェ
Knott:G.ノット
Arg:F.W.A.Argelander(アルゲランダー)
Jc:W.S.Jacob(ジェイコブ)