鹿児島の星空3

                  天体写真の記録用ブログ

NGC281(カシオペア座)

9月、10月、撮影していなかったわけではないのですが、そこそこ忙しく画像処理する時間がなく、このままでは埋もれそうだったので、週末にやっつけで処理しました。

明るい星雲なので撮影は楽でした。

NGC281(パックマン

<データ>

2023.10.16 26時06分~

SONYα7S天体改造(L-Ultimateフィルター
Exposure=30S×60枚(30分)

QUATTRO 300P 直焦(レデューサー F3.44)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・センターに入れたつもりがずれていますね。モニターの方眼の目盛りを見間違えたかな。

・35mmフルサイズでも周辺の星像は問題なさそうです。(画像はクロップなしです。)

・それよりも星像のスパイダーの出が微妙に汚いので対策を考えます。

・筒先絞りを入れるか、斜鏡スパイダーを太くするか、くらいしか思いつきませんが、おいおい試してみます。

・あと、L-Ultimateフィルターを入れると、トライバーティノフマスクでのピント合わせが微妙になりました。仕方がないので、スパイダーの出具合で再確認しました。

・しばらく色々撮りながら詰めていきたいと思います。

QUATTRO 300Pの試写

SkyWatcher のQUATTRO 300Pを衝動買いしてしまったので、お盆休みにセッティングしました。

誰でも思いつくことですが、「QUATTRO 150Pの×0.86レデューサー」を使おうと思い買いました。30cmF4×RD0.86=1032mm(F3.44)と魅力的なスペックになります。

全く個人的な経験則ですが、焦点距離1200mmを超えると大気の揺らぎの影響を強く受けるような気がします。

手持ちの15.5cm屈折がF7で1085mmだとフォーサーズでも影響がないが、25cmF5NT反射で1250mmだとダメなことが多いような気がします。

したがって、30cmF4(1200mm)だと微妙ですが、レデューサー使用で1032mmならシーイングの影響については大丈夫と踏んでいました。

 

あと、一般的な心配事としては、

1 おそらくやわな鏡筒なのでガイド鏡ではだめで、鏡筒強化かオフアキシスガイダーが必要かもということと、

2 光学系がそもそもシャープに写る精度があるのか、

ということでした。

2点目は、NET上にある画像を見る限り大丈夫そうでしたので、1点目がダメなら、主鏡セルを加工して鏡を固定するネジを設けるとともに、オフアキガイダーを買う前提で購入しました。

 

お盆前の土日に何回かに分けて、鏡筒に手を入れました。

1 主鏡カバー(爪隠し)とシースルーセルの光漏れカバー

  → 主鏡は実質290mmになりました。

2 鏡筒の断熱シート貼り(金色のサバイバルシート)

  → 鏡筒が鉄製で黒だったので良く冷えそうということで貼りました。

3 フード(銀マット+黒フエルト)

  → 急場しのぎですが、しばらくはこのままでしょう。

4 トッププレート(鏡筒バンドのプレートをt=12mmのアルミ板で作成)

  → たまたまピッタリのサイズ(10cm×40cm)のアルミ板がAmazonで見つかった

   ので購入し、手作業で穴あけ、面トリ(やすりかけ)をしました。

5 ガイド鏡

  → 結局、今まで通り6cmF8ED屈折+0.5倍レデューサーになりました。(後述)

 

今後、手を入れるとすれば、

6 ピント合わせにEAFが必要か?

7 カメラによってバランス(赤緯方向)が崩れるので、可動式のウェイトを考えるか?

 というあたりです。

 

 全く余談ですが、最近、ガイド鏡が皆さん小さくなっていることと、赤道儀の積載重量の関係で少しでも軽い方がいいかなと思いいろいろ試してみました。

 まず、タイムセールスだったので、赤い3cmガイド鏡を買って付けてみましたが、ガイド精度は問題ないものの、あまりの星像の悪さに辟易してやめました。これなら私が5cm双眼鏡のレンズで自作したガイド鏡の方がましです。

 あと、大昔のTS40H用の4cmガイド鏡(F6?)も使ってみましたが、赤いのよりはましですが、TSと言えどもアクロマートじゃダメとの結論です。

 QUATTRO 300P鏡筒は、やわな分軽いので、NJPの積載重量の範囲内に軽く収まり、軽いガイド鏡にする必要もありませんでした。

 やはり私は年代的に、ガイド鏡もEDかフローライト派です。

 

ここまで準備をして、お盆にガイドと星像をテストしました。

 

光軸調整がまだ万全とは言えませんが、とにかく早く星像を見たくてフォーサーズで試写しました。

M27試写

<データ>

2023.08.14 23時50分~
ZWO ASI294MC Pro(ノーフィルター
Gain=120
Exposure=4分×30枚(120分)
Temperature=-10.0度

Darkあり

QUATTRO 300P 直焦(レデューサー F3.44)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・痛恨のミスはノーフィルターです。光害カットを入れていると完全に勘違いしていました。3夜連続は初歩的ミスを招きました。年齢かもしれません。

・なので、画像処理で少しごまかしていますが、星像の素性はいい感じでほっとしました。

・一安心ですが、今回はフォーサーズなので次回は35mmフルまで試したいと思います。

・月も天気も悪いので次の機会を待ちます。

・ちなみにガイドですが、4分30枚撮りましたが、1枚も問題ありませんでした。トッププレートを入れて鏡筒をぎゅうぎゅうに固定したのが良かったのでしょうか。

・鏡筒強化のため、接眼部あたりに鏡筒バンドを1本入れるかなあと思っていましたが、しばらく様子を見ます。(でも、赤緯バランス調整にも使えるかなとも思っています。)

・ピント合わせはトライバーティノフで特に問題なく、接眼部もスムーズで合わせやすいと思いました。

・あとは光軸修正を追い込みたいと思います。

・最近試写ばかりですので、この秋から少しは腰を据えて撮影できるといいのですが。

QUATTRO 150Pの試写2(IC1848)

今年はお盆に夏休みがまとめてとれたので、3晩連続で観測所に通いました。

一晩目は、まずQUATTRO 150Pの35mmフルサイズの試写をしました。

と言っても、別の機材のセッティングをしながら片手間に撮っただけです。

結論から言うと、最周辺の収差とカメラマウントが原因と思われるケラレを目立たなくするため、長辺の左右100PX程度をカットすると大体使えそうだと思いました。

もちろん、完ぺきではありません、私のレベルでの話です。

 

一応仕上げたのが下の画像です。

IC1848

<データ>

2023.8.13 1時54分~

SONYα7S天体改造(LPR-Nフィルター
Exposure=30S×60枚(30分)

Darkあり

QUATTRO 150P 直焦(レデューサー F3.45)

EQ6赤道儀+PHD2
6㎝ガイド鏡( fl:240mm)
共同観測所


<メモ>

・画像処理はいい加減です。試写なので、適当にやりました。

・筒先に絞りを入れたので、明るい星に出ていた嫌なスパイク(ハロ?)はほぼ消えました。

・518mmという焦点距離はなじみがないので、すごく広く感じます。

・今回は有名天体で試写したので、明るいFのメリットはわかりませんでした。

・これから秋冬の淡いHα天体で試してみます。

 

肝心の四隅の星像は以下のとおりで、やはり35mm最周辺は収差ありありです。

それとマウントのケラレと思われる減光が四隅に出ています。

それぞれ400×300ピクセルです。(1枚画像のレベル調整のみです)

右側より左側が星像が悪いような気がしますが、接眼筒か何かが傾いているのか、光軸修正がまだ完璧でないのか、でしょう。

が、ここまで拡大して見ることは私はないので、一応合格です。

対象にもよりますが、少しトリミングしてもよさそうです。

400×300PX

とりあえずQUATTRO 150Pの調整は終了ということにして、次回からちゃんと撮影してみたいと思っています。

 

それにしても、3晩連続出動は本当に久しぶりだったので、本当に疲れました。

QUATTRO 150Pの試写(網状星雲 NGC6992-5)

梅雨明け前に一応晴れそうな夜(休日前)があったので、いい機会だと思いQUATTRO 150Pの試写に行ってきました。

水蒸気が多く光害を反射して、特に低空はいつもより明るい空でしたが、予想より天気は良く、1時間ほどの雲の来襲以外は朝まで晴れました。

 

空が明るかったのでL-Ultimateフィルターを付けて高く上る網状を中心に狙いました。

網状星雲(東側)

<データ>

2023.07.17 2時44分~
SONYα7S天体改造(L-Ultimateフィルター) APSで撮影
Exposure=30S×90枚(45分)

Darkあり

QUATTRO 150P 直焦(レデューサー F3.45)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

牧園共同観測所(霧島市


<メモ>

・結論から言うと、これは使えると思いました。

APSまではOKとの触れ込みでしたので、今回はAPSサイズで撮りましたが、その通りだと思いました。

・L-Ultimateフィルターを入れるとよくわからなくなりますが、四隅まで星像は十二分に満足できます。周辺減光も感じません。

・Fが明るいので光軸修正が大丈夫か心配していましたが、私レベルでは十分シャープです。

・こんなことなら35mmフルでも撮ればよかったのですが、この日は昼間が忙しく疲れていて撮影中は朦朧として観測室の床に寝転がったりしていました。

ただし、1点問題があります。L-Ultimateフィルターを入れた画像ではあまり目立ちませんが、光路上にある突起物が原因と思われる変なスパイク?ハロ?が明るい星に出ました。

・星像を確認しようとバンビ付近を撮ったjpeg1枚撮りを見ると明らかです。(下の画像)

Bambi付近

こちらは、HEUIBⅡフィルター使用です。

ノーフィルターで撮った時は、出ませんでしたので、おそらくレデューサーの先につけたフィルターが光路上に飛び出したのでしょう。

フィルター枠がざっと4mm弱なので結構ぎりぎりの設計なのでしょう。

次回までに対策を立てて、今度は35mmサイズで試写してみます。

それにしてもL-Ultimateフィルターは、網状にはすごい効き目ですね。

二重星観望記録(2023-06-06/07)

6月の満月過ぎに二重星観望をしました。

平日なので自宅観望です。

折角の晴れ間でもったいないので、少し無理しました。

 

以下、自分用のメモです。

 

2023-6-6/7

25cm反射  S3/5 T4/5 自宅

観望24ペア(ロスト2

 

(おとめ) 21:40~

1 Σ1746 23″

シーイング今ひとつで主星が時々暴れるが、離れているので暗い(9.8等)伴星も軽く見える(XL10.5)

 

2 70Vir 268.6″

明るくきれいな主星だが、離れすぎ(XL28)

 

3 72vir 29.9″

伴星は暗く(10.7等)見ずらいが、そらし目で確認でき、その後、直視でもOK。結構離れている(XL10.5)

 

21:56休憩

22:08再開

 

4 Σ1757 2″

XL7で楕円に見える気もするが、自信なし(ロスト) ×

 

5 H228 70.1″

クリーム主星に青白伴星

 

6 81Vir 2.6″=Σ1763

これはXL7できれいに分かれる。淡いオレンジと白

 

7 Σ1764 16.1″

白い主星と青白伴星。主星が輝いているので見栄えがする(XL10.5)

 

8 Σ1775 27.7″

XL28でも見えるが、10.5で伴星がクッキリする。白い主星に伴星のパターン

 

9 Σ1788 3.6″

白とわずかに暖色系のペア。等光なので、見やすい。シーイングでがやがやするがXL7で良く見える。

 

10 Σ1802 5.9″

主星が少し明るいが、主・伴星とも「手頃な」暗さで見やすい(XL10.5)

 

22:46~23:00 休憩

 

11 Σ1833 5.8″

青白と淡いオレンジに見えるが、シーイングのせいか。

きれいな等光ペア。XL28でもわかったが、XL10.5でGOOD

 

12 Σ1881 3.5″

青白主星に暗い伴星

伴星がデータより暗く感じて案外見にくかった(XL7)

 

月が青白くきれい、台風後だからか。

 

13 Σ1904 9.9″

きれいな青色等光ペア、XL28でもXL10.5でもよし

 

へび座

14 Σ1919 23.1″

XL28で軽々、主星、伴星とも輝きがあり美しい。

 

15 Σ1931 13.2″

見やすい白色ペア(XL28、10.5)

16 6Ser 3.0″ ×

主星が明るく光度差あり、全くわからない(XL10.5、7)

 

17 OΣ300 15.0″

伴星かすかだが、離れているのでXL28でもわかる(XL28、10.5)

 

18 φSer 195.5″

ウーム、もはや二重星なのかというペア

 

23:41~0:02 休憩

 

19 Σ1985 6.0″

XL10.5で程よい離角、青白主星

 

20 Σ1988 1.9″

XL7でかろうじて雪ダルマ、等光だがやっと

 

21 Σ1987 10.9″

白いペア、XL28でもわかった(XL10.5)

 

22 Σ2007 37.8″

クリーム主星に青白い伴星に見える(XL28)

 

23 Σ2031 19.8″

XL28でもかろうじてわかるが、伴星が意外と暗くXL10.5でも結構かすかだ

 

そう言えば月が低い

(へび)尾に入る。

 

24 h4964 54.3″

青白い主星に暗い伴星だが、データ(9.9等)ほど暗くない。

XL28で軽々(XL10.5)

 

(0:30)本日終了

 

 

新兵器(SW QUATTRO 150P)

ささやかな新兵器を手に入れました。

スカイウォッチャーのQUATTRO 150Pです。

500mmくらいの焦点距離の機材を持っていなかったので、買ってみました。

大きなメジャー天体と淡い赤い星雲用です。

 

少しだけ手を入れました。

1 鏡筒は鉄板?でよく冷えそうなのでサバイバルシートを巻きました。

2 あと、鏡筒バンドにブリッジプレート代わりにアリ型を付けました。

  実際は、追加したアリ型の方が長いのでこちらがアリミゾ側になります。

QUATTRO 150P

 

3 主鏡の脱落防止の金具がはみ出ていたので、隠すためのマスクを付けました。

  口径を8mm損しますが、どうせ周辺はダレているとの噂もあるので気にしないことにします。

主鏡マスク

4 主鏡セルはシースルーのため主鏡がむき出しで、PCや赤色ライトでかぶりそうなので、厚紙のカバーを付けました。

 写真を撮り忘れましたが、実際はフード作成の余りのアルミレジャーシートで作ったカバーをこの上に更に付けます。

厚紙カバー

5 あまりにも粗末なので写真は出しませんが、3㎝ファインダーレンズで作ったガイド鏡をブリッジプレート側に取り付けました。素直に、はやりの赤くて安いガイド鏡を買えばいいのですが、こういうところで貧乏性が出ます。

 

手を加えた後、オートコリーメーターとチェシャアイピースで光軸を合わせました。鏡筒が短いので、覗きながら調整ネジに手が届くため合わせやすいですね。25cmに比べると格段に楽です。

主鏡の調整ネジはよくできていると思いますが、斜鏡の調整ネジは均一に回らず肝心なところでピュッと行き過ぎるなどクセがあります。それでもすぐ合いました。

 

梅雨に入っているので、本当に晴れませんが、雲が流れる中、無理やり試写しました。しかし、主鏡の脱落防止ネジの締め過ぎで星が三角に写ったので、また分解してネジを緩め光軸修正をやり直しました。予想以上に緩く締めないといけないんですね。

 

その後、晴れ間が来ないので、晴れ待ちです。

レデューサーの性能がどんなものか、楽しみです。

私は、基本的に焦点距離が長い方へ興味があるのですが、この夏は晴れればこの機材で色々やってみたいと思います。

天体写真展(鹿児島県天体写真協会)

私が参加している「鹿児島県天体写真協会」でささやかな写真展をすることになりました。

日程、会場は次のとおりです。

〇6月4日(日)から6月18日(日)

   県文化センター(宝山ホール)4階

〇7月9日(日)から8月27日(日)

  スターランド AIRA 2階

 

今日が初日でしたので、顔を出してきました。

一応、(出展写真の)撮影禁止なので、人がいないときに撮った会場です。

多目的スペース(の一角)なので、ちょっとガチャガチャしており、照明も昔ながらの蛍光灯ですが、場所がいいので贅沢は言えません。

会場

今回は、4月に代表の方から開催の提案があり、皆さんバタバタと準備されました。

私も、大急ぎでありあわせの写真をプリントしました。

結果、15名の会員から86点の出展があったそうです。

半数程度の会員が出展したことになります。

 

今回は、対象天体がかぶったり、月面がなかったりでしたが、準備期間が短かったのでやむを得ないところです。

また、展示作業が大変なので、以前のように額縁ではなくパネルにA4版プリントというお気軽な形になりました。私もパネルに写真を貼る作業に参加しました。

それにしても、短い期間で連絡・調整をはじめ、あらゆる準備をしていただいた代表の方に感謝です。

 

鹿児島県天体写真協会は、昭和の終わりごろに発足したもので、もう35年も前です。

20年位前までは写真展を一定期間ごとに連続で開催したりしていましたが、その後、メンバーがそれぞれ仕事や子育てで忙しくなるなど、ちょっと活動が停滞していました。今回は、仕事や子育てのピークが過ぎたいいタイミングだったかもしれません。

 

個人的には、最近、試写的な写真が多く、(出来上がりよりも)撮影そのものが楽しみというおかしな状態になっているので、こういう発表の場があると、腰を据えて作品を作ろうという気になります。