鹿児島の星空3

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ニュートン反射の筒内気流対策(その7) 了

ニュートン反射の筒内気流対策(工作編) 4日目

全部準備できたので、鏡筒にそれぞれ取り付けた。
(いろいろ忙しく、アップが今日になった。)
イメージ 1

反対側。
イメージ 2

最後に、コリーメーションアイピースで光軸調整をした。

合わせ始めたが、どうも接眼筒が傾いている感じがしたので、
確認すると、案の定、一番鏡筒側の回転装置のクランプの効きが
おかしく、ガタが出ていた。

ローレットネジを締めつけても解決しなかったので、
M5のキャップスクリューネジに変えて、ヘックスキーで締めたらよくなった。
ここでカメラの回転をすることはほぼないので、固定でいいだろう。
イメージ 3

この望遠鏡はF5なので、斜鏡が偏心取り付けしてあり、結構寄って見えた。
偏心量は、計算上は(250mm×80mm)/(4×1250mm)=4mmだ。
スパーダーの長さを確認してみるとぴったり4ミリずれている。
さあ、あとは夜を待つだけだ。


ということで、日没を待ってスライドルーフを開けた。
以下は、自分用の記録メモ。

<温度変化>
・鹿児島にしては寒い日で、どんどん気温が下がっていった。
 間隔が一定ではないが、温度変化は以下の通り。

 外気  鏡面  時 刻  温度差 コ メ ン ト 等
 16.7     18.1      17:35    1.4   スライドルーフ締めたまま
 12.5     17.6      17:42    5.1     スライドルーフオープン
 11.2     16.4      18:00      5.2
   10.7     15.2      18:15      4.5
     9.2     13.4      18:43    4.2    1時間後
     8.2     12.8      18:55      4.6
     7.5     11.1      19:33    3.6     約2時間後
     7.2     10.4      20:03    3.2
     5.0       8.2      21:20    3.2    (犬の散歩のため間隔空く)
     4.5       7.5      21:44    3.0     4時間後
     2.3       6.6      22:30    4.3     約5時間後
     2.3       5.6      23:20      3.3
     2.7       5.6      23:44    2.9    6時間後(曇り始める)

うーん、外気温がどんどん下がるので、全く追いつかない。
オープン後、外気温は-9.8℃、鏡面は-12.0℃だ。
気温低下が止まらないと、ずっと追いつけない感じだ。
主鏡は33mmなので、十分シンミラーだと思うが、冷えないもんだ。

<月を見てのコメント>
・ルーフオープン直後に月を見た。(120×)

 → FAN:OFF状態で見始めて、見ながらFAN:ONにしてみた。
   すごく期待してみたが何にも変わらないか、と思った瞬間、
   黄ばんでいた月の海(神酒の海かな?)が、
   みるみる黒味を増していった。
   モヤが晴れるというか、コントラストが上がるというか、
   はっきり効果が分かった。「えっ」と声が出た。
   ためしにOFFにしてみると、また徐々に黄ばんでいく。
   うれしくてON-OFFを繰り返してしまった。
   さすがに4回目くらいからOFFにしても黄色くならなくなってきた。

 → その後、欠け際近くの小さいクレーターに注目してみた。
   クレーター内部に2つ小ピークがあり、光っている。
   これがONの時は2つと、クレーター内の極小クレーターも2個はっきり見える。
   そして、OFFにすると徐々に乱れ、
   光ったピークがだんだん3つに見えるというか、分かれなくなっていく。
   一方、極小クレーター2個はOFFでもまずまず見えている。

 → ONにしても、貧乏ゆすりのような細かい揺れはなくならないが、
   黄ばんだもっさりした揺れは目に見えてなくなる。
   前者が上空の大気の乱れ、後者が主鏡近くのモヤモヤの影響か。

<FANの回転数など>
 → FAN1と2は撮影(眼視)中でもMAXで回していいようだ。
   一方、FAN3と4は、MAXでは影響がある感じだ。
   これが振動なのか、空気の混ぜ過ぎなのか判断がつかないが、
   MINにすると断然落ち着く。
   
 → 気になること。
   FAN2の反対側の排気口からはあまり風が出てこない。
   これだと、排気のFANをつけた方がいいかもしれない。  
  
焦点内外像
・最後にASI224MCでリゲルの焦点内外像を撮影した。
・それにしてもひどいシーイングだ。リングも見えたり見えなかったり。
・それでも伴星は見えている。

・上位50%をスタックして軽くウェーブレットしてみたのが下の画像。
・眼視では光軸がよく合って、中心にいるように感じたんだけど、
 なんかずれているなあ。この辺りは、またチェックだ。

・ますますシーイングが酷くなってきたと思ったら、雲が来ていた。
・本日これまで。
イメージ 4

※ ということで、まだまだ調整が必要だが、とりあえず工作終了としよう。