鹿児島の星空3

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C5のメンテナンス

撮影中のチョイ見用に観測所の休憩室に置きっぱなしにしていたC5のメンテナンスをしました。

先日使った際に、補正板にカビが来ていることに気が付きましたが、よく見ると主鏡にもカビがありました。(観測室は高床式で乾燥しているのですが、休憩室はやはり湿度が高いようです。大切な機材は防湿庫に入れてあります。それ以外の置きっぱなしはやめた方がよさそうです。)

それで、分解して全面的に清掃することにしました。

ネットで分解例を調べて、大体の手順を把握したうえで、まずは分解しました。

分解後(主鏡は裏返し)

余り難しいことはありませんでしたが、注意点は2点でした。

1 主鏡のバッフルの内筒と外筒の間に抜け止め?のためにOリングがあること。

2 補正板の位置(円周方向)があるようで、表裏とともに位置を示すマーカーをつけておきべきであること。

特に2は、油性ペンで印をつけていたのですが、補正板を洗浄した際に、洗剤で落ちていて青くなりました。(よく考えると油汚れが簡単に取れるわけですから、油性ペンぐらいは軽く落ちるんでしょうね。)

幸い、補正板の表面の最周辺に小さなサインのようなものが刻んであり、その位置が筒先のキャップの位置合わせの突起と合っていましたので事なきを得ました。分解するときになんと書いてあるのかなあと興味本位で眺めていたことが役に立ちました。(なんとかいてあるかは結局不明でした。)ちなみに、サインそのものは補正板押さえのリングに隠される部分なので、影響しないようになっていました。

あと、当たり前のことですが、レンチはインチ規格のものが必要でした。

 

次に主鏡、副鏡、補正板を食器用洗剤をたっぷりかけて指の平でそっと洗浄しました。

カビはすぐ取れました。

主鏡

副鏡と補正板(1時方向にサイン)

反射望遠鏡の主鏡を洗った際の経験から、あまり完璧を求めず、ほどほどで満足する程度に洗いました。経験上、指とはいえ、あまりこだわってこすると傷をつけるだけという気がします。

意外なことに、副鏡もそこそこ汚れていました。

 

カビの胞子が鏡筒内に残っていると、またカビやすいかなと思い、鏡筒も手が届くところはアルコールで拭いて、あとは除菌用アルコールを鏡筒内にほどほどに吹き付けて、3日ほど放置してから組み立てました。

 

組み立ては特に問題はありませんでした。組立後、室内の明かりで主鏡、補正板を見ると、まずまずきれいになっているのですが、強力LEDライトを当てると結構汚れやムラが見えました。そんなに明るい星はないということで、気にしないことにしました。

 

梅雨入り前とは言え天気が悪かったので、雲が流れている中、光軸修正をしました。

全分解したので、相当苦戦すると思っていましたが、焦点内外像を見ながらBob's Knobsで調整すると、意外とすぐに合いました。もちろん厳密にはCMOSをつけてPC画面でしっかり確認しないといけないのでしょうが、ピントを合わせた像は十分満足いくレベルでした。

どうせ光軸は大きくずれているだろうと思い、最初にどのKnobsを回すと(黒丸が)どう動くか確認しようとぐるぐる回していたら、かえって大きく光軸がずれて、戻すのに苦労しました。でも、光軸がずれたときはピントを合わしてもこういう(ひどい)像になるということがよくわかりました。

結果的に言うと、分解組み立て後も大きくずれておらず、わずかな修正で良かったようです。Knobsの回転が15度とか30度というレベルなんですね。勉強になりました。ニュートン反射の光軸修正より単純で楽に感じました。(ただし、主鏡からバッフルを外すとまた違うかもしれません。)

 

今まで、シュミットカセグレンはほとんど興味ありませんでしたが、今回、全分解して思ったことは、SCTは単純な構造だけど、合理的な考えで作られており、分解清掃も簡単で、軽く調整しながら使えば、十分戦力になりそうということです。これなら新兵器の30cmSCTも何とか運用できそうだと感じました。