鹿児島の星空3

                  天体写真の記録用ブログ

Sh2-302(とも座)

新月の土日に晴れが来たので、張り切って共同観測所に出かけました。

ところが、準備完了で撮影開始と思ったら、NJPのウォームギアの与圧がかかりすぎているせいか、恒星時で脱調する(しゃっくりをする)トラブルに見舞われました。

与圧調整ネジを回す工具は自宅に置いたままだったので、一瞬取りに帰ろうかと思いましたが、往復で2時間は無駄にするので、何とか与圧を緩められないかと色々試しましたが、うまくいきません。

あきらめて別の赤道儀で観望でもするかと思い始めましたが、ふと思いついて、最後の手段として、赤経側のバランスを崩し、進行方向を故意に重くしてみたらうまく回転し始めました。オートガイドもセットして、10分ほど試運転してみたらうまくいきました。2時間弱、無駄にしましたので、自宅に工具を取りに帰っても同じでした。

この夜は、鹿児島としてはよく冷えていた(氷点下1度程度)せいかもしれませんが、昨年の冬はこの症状は出なかったので、不思議です。

バランス崩しは赤道儀を痛めるので、次回、ちゃんと与圧を緩めて調整してみます。

やれやれですが、冬の夜は長いので、2時間無駄にしても、まだまだ時間があります。

気を取り直して撮影に入りました。

 

この夜は、低空までよく抜けた空だったので、南天の星雲をいくつか撮影しました。

そのうちの1枚、とも座のSh2-302です。この星雲もフィルム時代から知っていて、当時、撮影もしてみましたが、存在がわかる程度にしか写らず全く歯が立ちませんでした。

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Sh2-302(差替)

<データ>

2021.12.05 1時21分~
ZWO ASI294MC Pro(NB1フィルター)
Gain=390
Exposure=4分×15枚(60分)
Temperature=-4.9度
ダークあり

15.5CmF7屈折 直焦(レデューサーF5.2)
NJP赤道儀(EZEUS2)
6㎝ガイド鏡(レデューサー fl:240mm)

共同観測所(霧島市


<メモ>

・近くのSh2-301と比べても、この星雲は淡い。フィルム時代に写らなかったはずです。

・しかし、大きな星雲ですね。撮らずにはいられません。

・星雲の北西側(左上)にvdB97という多分、青い星雲が隣接しているはずですが、

 このフィルターでは青がほぼ出ないので、赤褐色に写っている部分でしょうか。

・淡いので、無理して持ち上げたせいか星雲がのっぺりしてしいました。

・また、南天の星雲に興味が出てきました。